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モンマルトル-myorenji-の空の下 [ライフスタイル]

30年くらい昔の話、パリに遊びにいった。
知人がモンマルトルのテルトル広場にほど近いアパルトマンに住んでいた。
アパルトマンの木の階段は年月を記すが如く、足の形にすり減っていて、
部屋に上がると窓の下から聞こえるのは、人々のざわめきとアコーディオンとギターの音色。

大きなテーブルの上には、ついさっきマルシェで買ってきたばかりのチーズとワインと
そしてバケットが無造作におかれ、私たちは日の落ちない長い夕暮れを
通じないおしゃべりをしながら何時間も過ごした。
彼らはフランス語、私は英語、、、でもなんだか沢山話したような錯覚が
ほどよいワインの酔いもあって、深く思い出に残っている。
日がとっぷりと暮れるまで、時に激しく、時に切ない演奏は絶え間なく流れていた。
誰が演奏してるんだろう。ずっとそんなことが頭の隅にあった。

その思い出がフラッシュバックしていた今日の午後。
私の鏡を作ってくれた愛さんの旦那さまはジプシーミュージックと言っていいのかな、
スパニッシュギターとボタンアコーディオン、コントラバスのトリオ、「Chez Monjeu」
ヨーロピアンジャズミュージシャン。
彼らのライブがあるとお誘いを受け伺った。
会場は妙蓮寺にある、築100年の古民家、というには恐れ多い美しく歴史あるお屋敷、「長平庵」。
シックなたたずまいの洋室で、彼らの演奏は始まった。
深い赤みのある壁紙が夕陽をバックに演奏する彼らの顔を、そして私たちの顔を赤く染め、
まるで空間ごと日本から遠い異国にワープしたみたい。

私の頭をよぎるのは、かつてのモンマルトルの丘の音楽そのものだった。
ジプシーが奏でるようなギターの鋭い弦の響きと、切なさを醸し出すボタンアコーディオンの和音が
心を捉えて離さない。コントラバスの低い音色が甘く心の奥に届いてくる。
演奏はジプシージャズからスタンダードなジャズ、私の好きなジャンゴ・ラインハルトの曲が
始まった時は驚いた!こんなところでジャンゴの曲が聴けるなんて。
ジャズだけでなく、映画音楽に寅さん、百恵ちゃんやサザンまで。
決して飽きさせないオーディエンスをもてなすスタイル。
手を伸ばせば届くようなところでの酔わせる演奏と、遠い昔の郷愁と、
美しい空間の中で贅沢な大人遊びをしたみたい。

今日の出逢いに深く感謝。

13日水曜日に南青山マンダラでモンジューのライブがあります。
http://www.warp-on-web.com/monjeu/


monjeu.jpg
スクリーンショット(2010-10-10 23.21.42).png
↑↑
1stアルバム 「モンジュー」を聞きながら書いてます。



「長平庵」のサイトはここ。
http://www.tomoko-358.com/
クラシックなシャンデリアがありました。
IMG_4420.jpg



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コメント 2

pink

郷愁を誘うような秋の素敵な雰囲気が伝わって参りました。
モンマルトルに行きたくなりました。
by pink (2010-10-11 19:22) 

panguea

pinkさん、
べガスとは正反対のところです(笑)
by panguea (2010-10-15 10:17) 

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